【局長通信】行田市で『大山詣り』を語って来ました。
今年も遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます!!
3年ぶりに行動制限のない年末年始は如何だったでしょうか? まだまだ新型コロナウイルス流行の猛威は続いておりますが、観光に関しては海外からのお客様も回復し始め、全国旅行支援も年明けから再開されるなど、私たちの日常は確実にコロナ禍前に戻りつつあります。
こうした中、埼玉県行田市の郷土博物館から「大山詣りについて講演して欲しい」という思わぬオファーが市に届き、大山詣りについてなら観光協会と白羽の矢が立ち、学術的な講演の文化財担当とセットで講演をして参りましたので、新年第一弾として報告します。
圏央道を2時間かけてやって来ました埼玉県の最北部にある行田市、忍城址に建つ郷土博物館に到着しました。
ここ行田市は市内にある「埼玉古墳群」(さきたま)から県名が命名されたという由緒ある街で、古くから穀倉地帯としてまた交通の要衝として栄え、江戸時代には集落ごとに『大山講』が組織され、石尊信仰から大山詣りも盛んに行われたそうです。
行田市のシンボルは何と言ってもこの忍城でしょう。
野村萬斎が主演した映画「のぼうの城」で有名となりましたが、豊臣秀吉の小田原攻めに伴う石田三成の水攻めに遭いながら、小田原城落城まで持ちこたえたという痛快な逸話が残されています。
玄関口には公開当時の映画ポスターが張られており、思わず二度見をしてしまいました。
さて今回の講演ですが元々大山講の伝統がある地域なので、3年前に「博物館友の会」の行事で大山を訪ねる予定であったもののコロナ禍で中止となり、今年の再開に向けての事前学習の一環として講演会が企画されたそうです。
会場のホールには雨天にも関わらず歴史好きの善男善女が多数来場され学習意欲満々です。
講演会は「日本遺産のまち 伊勢原市~信仰と行楽の地~」をメインテーマとした二部構成で、前半を教育委員会教育総務課の小笠原さんが伊勢原市の概要と歴史について語りました。
講演デビューとは思えない堂々とした語り口で聴衆の耳目を集めます。特に専門の遺跡の発掘については熱演でした。
小生は講演会のしんがりに“日本遺産「大山詣り」”というテーマを掲げて登場しました。
これから大山へお越しになる皆様に、少しでも具体的なイメージが持てるよう、普段ガイドとして現地で解説している体で持参した納め太刀を担いだり、身振り手振りを交え懸命に大山詣りのストーリーと見所を解説させていただきました。
最後に歴史と大自然の宝庫大山へのお越しを再度誘い、2時間に渡った講演会を閉め帰路につきました。